そろそろ年の瀬、学生実験の発表が近づいています。
今年は学部生が勉強熱心で、週に何人かは2・3年生が来て、
実験やテストでわからないところを僕たち院生に質問します。
僕はそれを見て、
(なんて純粋で勉強熱心なんだろう。ああ学生とは本来こうあるべきなのだ。大切なことを気付かせてくれてありがとう。俺ももう少し頑張るよ!)
と思ったり、
(いちいちメンドくさいことを聞きに来んな!それくらい自分で調べんかいアホ!しかし、いくら勉強したところで結局何ひとつオマエの思い通りにはならん!勘違いするなよこの青くさいウンコが!)
と思ったりするのですが、どちらの感想を持つ割合が多いかということが、自分のストレスチェッカーの役割を果たしています。
そして、今週は誰に対しても、またどのような質問であってもことごとく後者の感想でした。
相当タマっているようです。
ストレスの原因は、ウチのボスと共同研究先のA先生との間の板ばさみです。
このお二方は、共に同年代で助教授で共同研究者なのですが、考え方は正反対です。
A先生は「他の論文でXという報告があるので、それを踏まえて・・・」という進め方ですが、
ウチのボスは「そのXという報告は、本当に我々の実験にも適応できるのか?」
という点を検証しなれば気が済みません。
ボスから見ればA先生は「研究者として致命的にだらしない」のですが、
A先生から見ればボスは「経験的な知識がなさすぎる(実験の内容はA先生の専門分野)」のです。
そして、こんなことを言うと「ウソやろ!」とつっこまれそうですが、僕はわりと素直に人の意見を聞きます。
ボスと喋ったあとはボスの考え方に、A先生と喋ったあとはA先生の考え方に影響されまくります。
さらに、僕には「理解できない話でも異常にうまく相槌を打つ」という、おそらく誰の幸せにも役に立たないであろう特技を持っているので、両先生のお話を長引かせてしまいます。
というわけでA先生のところに測定結果を報告して今後の計画を相談し、その後ボスに報告に行く
ということをすると、考え方の振れ幅が大きすぎて、ものすごい勢いで疲れます。
しかも。
まるで昼ドラのような、中年のジェラシーに満ちた悪口・陰口を聞くことになります。
「あのジジイ、ボケとるんじゃないか?」
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「だから君のとこの実験室は危険なんだよ」
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「いい結果が出たね。さて、どうやって向こうに恩を着せようか」
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リアルで白い巨塔です。いや、実はこういうドロドロした舞台裏を見るのは好きです。
かなり好きです。しかし、ほぼ毎日となるとさすがに体には悪いです。
2・3年生に対して毒づいているのは、ストレスのせいだけでなく、
不健康な暗い楽しみによって、徐々に体が蝕まれているからかもしれません。
せめて週末は健康的なことがしたい!と思っていたら、今週日曜日は中村雅人が松本に来るので 、
ふたたびセッションをすることになりました。
体に良いんだか悪いんだか。